うちに連れて帰っても
すぐには食べなかった
カノジョは命乞いもしなかった
自然の流れに委ねていた
「一つだけお願いがあるの
私はアナタを心の底から満たすから
カレだけは、お願い、狙わないで……」
なんて馬鹿な話と思いはしたが
全てを包み込む愛に触れた
獲物を待つのは一日中
上から見ていた一部始終
カレが昨日盗んでいたモノは
カレの為に隠されていたモノだったのだ
あまりに必死だったその姿を
見逃した事を後悔もしたが
かといってカノジョを逃すわけにはいかぬ
全ては自然の流れのままに
事が済んでしまえば約束を
守る義理は無いのだろうが
あらゆる己の選択も
運命に織り込まれていると悟り
時には不自然なる道を選んででも
最後まで見届けようと決めた
『もう十分に心は満たされた』
そう言い聞かせてマモリツヅケル……
物語を紡いだ