11.

ミルク

彼女は毎朝ミルクを飲む
大人になっても変わらずに
コップ一杯を飲み干すと
身体に染み入るのを感じながら
例え太陽が隠れていても
今の全てに感謝する
ママの残したブローチに
そっと触れながら感謝する

“見守るフクロウ” がモチーフの
木彫りのそのブローチは
パパが旅先で一目惚れ
ママが受け取ると宝物に
パパは何度も病の床で
彼女にその話をしてくれた
やがてママの後を追うように
パパは穏やかに旅だった

ラララ……

彼女は両親と自然を愛した
幾つかの仕事は上手くいかなかったが
流れ着いた先で植樹の仕事に
彼女はそれを天命と感じ
毎日木を植え続けた
懸命な姿は美しかった
木々たちもそれに応えるように
美しく美しく育った

地球上で消え行く森に
胸を痛める日もあったが
彼女は彼女が出来る事を
これこそが役割と直向きに
独り身は大抵好都合だったが
時折感じる寂しさもあった
そんな中で彼は彼女を見つけた
彼もまた自然を愛していた

ラララ……

全てが一つの自由な定め
矛盾し調和する場所
何処に居ても
優しいモノも優しくないモノも
包み込んでくれる
『愛』と呼ばれるものが

ラララ……

彼女の子供はミルクを飲む
小さな両手を広げながら
お腹いっぱいまで飲むと
無償の愛を感じてる
いつかきみが大人になって
どんな苦悩が待ち受けていても
全てはひと時の物語
「きっと愛に導かれてる」