退院

入院期間は11日間。 大腸がんステージ3の手術としては、かなり短い方だったのかもしれない。 術後しばらくして落ち着いてから見舞いに、と考えていた友人や知人とはタイミングが合わなかった。 それでも時間を調整して会いに来てく […]

術後の経過

まるで一つひとつのことを最初から丁寧にやり直しているようだった。 それを知識ではなく体感として知らされている。 赤子はオムツの中に排便をしてそれを褒められる。便が出ないことは問題であり健康と成長のバロメーターでもある。 […]

個室にて

結果的に個室で助かったことは多かった。 まずは排便について。 「排便はありましたか?」 看護師に問われるたびに疑問が浮かんだ。 肛門に管が通っているのに排便は出来るのだろうか、と。 大腸が物理的に短くなっていることも影響 […]

体験

それでも2、3時間は眠れたのだろうか。 術後の HCU で時計を見ていた時間の方が遥かに長かった。 ボタンを押すと痛み止めのフェンタニルが投与される。 朝になれば一般病室に移されるらしい。 若い看護師に身体を拭かれる。 […]

手術と目覚め

「緊張していますか?」 手術室の前で、看護師に声を掛けられる。 そうだったのかもしれない。 そう見えなかったのか、それとも、そう見えたのか。 あとはもう、委ねるしかなかった。麻酔が効き始めれば、何もできることはない。 眠 […]

手術前日の知らせ

担当医から声がかかる。面談室で、話があると。 「ステージ4の可能性がある」 入院初日の CT 検査の結果、鼠径部のリンパ節が腫れており、これが高い確率で “癌の転移” であると伝えられる。 明日、麻酔の後、まずリンパ節の […]

入院初日。体調は良い。 CT を撮るとのことで、朝食は取らずに病院へ向かう。 造影剤が体内に入ってくる感覚。不思議ではあるが、決して心地の良いものではない。実際、肝臓に負担がかかるらしく、前回はその後の足ツボで、それを指 […]

気楽にしやがれ

読書を、数年ぶり——いや、もしかしたら十数年ぶりに再開した。紀伊國屋に行き、既読の本を数冊と、長らく気になっていた本を数冊購入。 現時点では、まだ「読書習慣が戻った」とは言い難い。何故なら、活字を読むための筋力のようなも […]

浮かんでは消え

指先の痛みが、少しずつ和らいできた。少しずつ、少しずつだが、ギターを弾くための指が戻ってきたように思う。 正確には「取り戻す」というよりも、『はじめての時のような気持ち』に近いのかもしれない。その新鮮さが、何より嬉しい。 […]

ギターとの巡り合わせ

実物をひと目見た瞬間—— そのボディに触れた瞬間—— 最初の一音を奏でた瞬間—— とか、そういうことではなかった。 ひと目見て、ボディに触れて、そしてしばらく試奏しても、ギターの購入に迷いは迷いとしてあった。でも案外そう […]